和室にマッチする掛け軸の魅力

掛け軸は書や日本画を裂や紙で表装し、床の間に掛けて鑑賞する美術品で、掛物(かけもの)とも呼ばれます。紀元後3世紀、中国では晋の時代に仏教が興隆し、布教のための仏教絵画が多く描かれるようになりました。仏画は持ち運びの便利を考えて巻物に仕立てられ、これが掛物の始まりとされています。

日本には6世紀の仏教伝来とともに掛物形式の仏画が伝わりました。その後、鎌倉時代になると上流社会では美術品を飾ることが流行し、当時盛んであった禅宗の影響により、書や水墨画の掛物が人気を集めました。日本建築の基である床の間を持つ書院造りと、その後の茶の湯の流行により、掛物が一般の富裕層にも普及しました。江戸時代には表装の技術が発達し、花鳥風月を描いた日本画など華やかな掛物が出現しました。

現在掛物には仏画、山水画、花鳥画、墨蹟、色紙、肉筆浮世絵など沢山の種類があり、仕立て方も複数になる双幅、三幅対など様々です。四季や祭礼など時期に応じた部屋の設えに相応しい装飾品で、部屋の品格を高め、結納や婚礼などの慶事には欠かせません。しかしその適正な流通価格は素人にはわかりにくく、日本画専門の画廊などは気軽に入店しにくいものです。詳しくない場合や、特に初めて掛物を購入する場合は、通販サイトが手軽でお勧めです。